オフィスイトウのブログ

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1年単位の変形時間労働制について

こんにちは、スタッフの深谷です。

今年の紅葉は、暖冬のせいか色づきが芳しくなく、
少し寂しく思っておりましたが、
昨日、名城公園とその周辺を散策してきました。
銀杏並木や枝垂れ桜、藤棚など黄葉や
紅葉がまだ楽しめます。
冬本番も近いですが、過ぎゆく秋を感じられます。
朝晩と日毎の寒暖差が激しい時季ですので、ご自愛頂き、
忙しい師走を乗り切って頂きたいと思います。

 

本日は、「1年単位の変形労働時間制」について、
お話ししたいと思います。

 

1年単位の変形労働時間制は、休日の増加による労働者のゆとりと
時間外・休日労働の減少による総労働時間の短縮を実現するため、
1箇月を超え1年以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が
40時間を超えないことを条件として、業務の繁閑に応じて
労働時間を配分する事を認める制度となります。

 

1.労使協定の締結
①対象労働者の範囲
法令上、対象労働者の範囲について制限はありませんが、
その範囲は明確に定める必要があります。

②対象期間及び起算日
対象期間は、1箇月を超え1年以内の期間に限ります。
対象期間を具体的な期日になく期間で定める限り、
当該期間の起算日も必要です。

③特定期間
②の対象期間中に特に業務の繁忙な期間を
特定期間として定めることが出来ますが、
この特定期間は、連続して労働させる日数に関係があります。
なお、退職期間の相当部分を特定期間とすることは、
法の趣旨に反します。

④労働日及び労働日ごとの労働時間
②の対象期間を平均し1週間当たりの労働時間が
40時間を超えないようにし、労働時間の限度に
適合するよう設定しなければなりません。
また、特定した労働日または、労働日ごとの
労働時間を任意に変更する事は出来ません。

⑤労使協定の有効期間
②の対象期間より長い期間とする必要がありますが、
1年単位の変形労働時間制を適切に運用するためには、
対象期間と同じ1年程度にする事が望ましいものです。

 

2.労働日及び労働日ごとの労働時間に関する限度
①対象期間における労働日数の限度
対象期間における労働日数の限度は、1年当り280日です。
対象期間が3箇月を超え、1年未満である場合は、
次の計算式により計算した日数となります。(端数切り捨て)

280日×対象期間の暦日数/365日

②対象期間における1日及び1週間の労働時間の限度
1日の労働時間の限度は、10時間、
1週間の労働時間の限度は52時間です。

③対象期間及び特定期間における連続して労働させる日数の限度
対象期間における連続して労働させる日数の限度は、6日です。
特定期間における連続して労働させる日数の限度は、
1週間に1日の休日が確保できる日数です。

 

3.労働日及び労働日ごとの労働時間の特定の特例
労働日及び労働日ごとの労働時間の定め方は、対象期間中
全てについて定める方法と、対象期間を1箇月ごとの期間ごとに
区分して、各期間が始まる前までに、その期間における労働日及び
労働日ごとの労働時間を定める方法があります。

 

4.労働基準監督署への届出
労使協定を締結した際には、様式第4号により、
所轄労働基準監督署へ届出が必要です。

 

5.割増賃金の支払
労働基準法第37条の規定に基づく割増賃金の他、
支払が必要になる場合があります。

 

6.育児を行う者等に対する配慮
育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練や
教育を受ける者その他、配慮を要する者については、
これらの者が、育児などに必要とな時間を確保出来るよう
配慮しなければなりません。