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残業代削減の知恵
- 15年04月23日
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こんにちは。代表の伊藤です。
最近は景気が回復してきたためでしょうか、当方が関与している中小企業においても「従業員の時間外労働が増えて、割増賃金が高額になって困る」という相談を受けるようになってきました。
労働基準法では、時間外労働には通常の25%増、休日出勤労働には35%増の賃金を支払うよう義務付けています。しかし残業代の不払いは中小企業を中心に慢性的な問題となっています。
労働基準監督署は最近このような会社に対しての指導を強化しています。また残業代の不払いは労使トラブルに発展する可能性が高くなっています。
残業代の不払いは人件費を少しでも軽減したいという会社側の意図があります。特に財務体質の弱い中小企業は25%や35%の割増賃金を支払っていては経営が成り立たないと考えているのかもしれません。
しかし実は、労働基準法を正しく理解し残業対策をすれば、社員にサービス残業をさせなくても残業代の削減をすることができるのです。次回も前回と同様に残業対策の手法をお伝えしていきます。
▼定額残業代の支払い
パターンとしては2つ考えられます。
<パターン①>
管理監督者性はないという前提で、役職手当の中に一定の残業代を含むという形にします。→その固定残業時間を超える超過時間に関しては当然支払義務が生じます。
<パターン②>
管理監督者ですが、役職手当の中には定額の時間に関する一定の残業代を含むという形にします。→固定時間を超えた分も支払い義務はありませんが、管理監督者性が否定されればさかのぼって支払い義務が生じます。
<注意点>
労働条件が不利益変更に当たるため
・社員への説明と理解を求める
・一定限度の賃金の上乗せを行い、単純な不利益変更だけに当たらないようにする。
<増えた人件費にどう対応するか>
・人事考課で解決する
業績配分の賞与にしている会社では、残業代の支払いが多い社員は業績にマイナス貢献をしていることにもなります。賞与の査定等で残業時間を重要項目とします。
給与の査定でも、マイナス評価とします。
例えば、基本給<年齢給>+職務給<能力給>という構成であれば、職務給<能力給>部分の査定は低くします。
単に、総額賃金の削減だけを目的とすると、社員のモチベーションは低下しますので注意が必要です。