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平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表
- 16年03月29日
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こんにちは、代表の伊藤です。
先日、「ガイアの夜明け」という番組でも取り上げられていた過重労働特別対策班ですが、
厚生労働省は、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を取りまとめ、公表しました。
今回の重点監督は、長時間労働削減推進本部(本部長:塩崎 恭久 厚生労働大臣)の指示の下、長時間の過重労働による過労死に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されたものです。その結果、3,718事業場で労働基準関係法令違反を確認したほか、約半数にあたる2,311事業場で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導が行われたとのことです。ポイントは次のとおりです。
◆◆ 重点監督の実施結果のポイント ◆◆
「平成27年過重労働解消キャンペーン(平成27年11月)」の間に、5,031事業場に対し重点監督を実施。
そのうち、3,718事業場(全体の73.9%)で労働基準関係法令違反が認められた。
<主な違反内容(法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場)>
・違法な時間外労働があったものが2,311事業場(全体の45.9%)
・賃金不払残業があったものが509事業場(全体の10.1%)
・過重労働による健康障害防止措置が未実施のものが675事業場(全体の13.4 %)
〈補足〉今年の調査から、「過重労働による健康障害防止措置」に対するチェックが厳しくなったと思われます(是正勧告された事業場の数が、昨年度の「72事業場」から本年度は「675事業場」に大幅増)。
<監督指導の事例(業種:情報処理サービス業)>
会社は、出退勤時刻を把握する「タイムカード」に加え、「作業時間報告書」を労働者自らに作成させ労働時間を管理していた。「タイムカード」と「作業時間報告書」に相違がみられ、これに合理的な理由が認められなかったため、実態調査を行わせたところ、10名を超える労働者に対して月100時間を超える違法な長時間労働(最も長い労働者で月約160時間の時間外労働)を行わせていたことが明らかとなった。
また、地域手当等の一部の手当を割増賃金の基礎となる賃金に含めておらず、割増賃金が適正に支払われていなかった。
さらに、衛生管理者を選任していなかった。
<監督署の対応>
①労働基準法第32条(労働時間)違反を是正勧告
②労働基準法第37条(割増賃金)違反を是正勧告
③労働時間の適正な把握について指導
④不払いとなっている割増賃金の支払いを指導
⑤長時間労働の抑制について専用指導文書により指導
⑥過重労働による健康障害防止について専用指導文書により指導
⑦労働安全衛生法第12条(衛生管理者)違反を是正勧告
上記のように、違反・問題等が認められた事業場に対しては、労働基準監督署から是正勧告や是正に向けた指導が行われます。それでも法違反が是正されない場合は、司法処分を含めて厳正に対処するとのことです。
労働基準法・労働安全衛生法等のルールを知らずに違反しているケースが大半だと思われます。適正に運用されているか、不安があれば、気軽にご相談ください。